こんにちは、このサイトを管理している“しあわせさん”です!
このサイトでは、初心者でも楽しく絵を描くための基本的な情報を発信しています。
絵の具を使うとしたら、どの絵の具を使いますか?
水彩絵の具の、水の量、色の作り方、滲みや余白の扱い方など・・・。水彩絵の具はとても繊細で、描けば描くほど、奥深さが出るものだなと思います。
今はほとんどアクリル絵の具を使います。ゴテゴテと色を重ねたり、筆跡を残したり立体的な表現をしたかったからです。
水彩絵の具とアクリル絵の具。どちらとも水溶性の絵の具であり、水で溶いて使います。
ではこの2つの絵の具の違いは何でしょう?
どちらを使えば良いのでしょう?
違いを抑えておけば、描きたいものによって絵の具を選んだり書き方を広げて表現できるようになります。

水彩絵の具もアクリル絵の具も、初心者にはおすすめの絵の具です!
何を基準に選ぶのかは人それぞれですが、扱いやすさや表現できるものなど比較していますので、参考にしてくださいね〜^^
それでは、見ていきましょう!
原料の違い
絵の具は、顔料+バインダー(糊、接着剤のようなもの)で作られています。
水彩絵の具とアクリル絵の具の違いは、このバインダーによります。
水彩絵の具 顔料 + アラビアゴム
アクリル絵の具 顔料 + アクリル樹脂

このバインダーにより特性が異なってきます。では以下に、どんな違いがあるのか見ていきましょう。
特性の違い
絵の具が乾いた後の違い(耐水性)
- 水彩絵の具
乾いてもまた水に溶けます。そのため、乾いた後も水で溶かせば修正が可能です。
- アクリル絵の具
乾くと水には溶けません。そのため乾くと修正はできませんが、重ねて色を塗ったり、厚塗りをすることができます。
絵の具が乾く速さの違い(速乾性)
- 水彩絵の具
水の量にもよりますが、乾くのには時間がかかります。ドライヤーなどで乾燥させるなどの工夫をすると、スピードアップできます。
- アクリル絵の具
乾くのが早いです。重ね塗りもどんどんできます。しかし、グラデーションやにじみの表現をしたい時は、速く乾くという特性を頭に置いて作業が必要です。乾くのを遅らすことができるメディウムを利用しても良いでしょう。
耐光性
- 水彩絵の具
日のあたる場所に絵を飾っていると、次第に色褪せは出てきます。保存方法に注意が必要です。
- アクリル絵の具
元々屋外用に開発された絵の具であり、色褪せにくく耐久性にも優れます。
描ける素材の違い
- 水彩絵の具
水彩紙などの紙の上に限られます。
- アクリル絵の具
接着性が高く、紙や布、板、石、ガラスなどにも描くことができます。

紙を使う場合は、どちらの絵の具を使っても、“水張り”をしましょう!
水彩絵の具でできる表現と注意点

水彩絵の具でできる表現
- 透明感のある表現
色を薄く塗ることにより、透明感があり、薄いセロファンを重ねたような繊細な表現ができます。
- ぼかしや滲みを表現
水を多めに使うと、ぼかしやにじみなどを生かした表現ができます。流動的で偶然性も楽しめます。
描くときの注意点は?
- 水張りをする
水を多く含ませながら描くことがあるため、紙がブヨブヨしやすく用紙の水張りはした方が良いでしょう。
- 白の余白を使う
水彩絵の具は、透明性を活かすために白の使い方がキーポイントになります。この時、紙の白の余白が最も明るく見えるため、白の部分を残しながら塗り進めます。
- 乾いても水に溶けやすい
水に溶けやすく、下の色が溶けて濁ってしまう場合があるので、色の重ね過ぎには注意が必要です。
反対に乾いても水で溶けるので、描いた部分を水で溶かしてぼかしの表現をしたり修正も可能です。
- 乾いた後の発色
絵の具の色は、乾くと色が少し落ち着きます。塗る時は、少し強めに色を置くと良いでしょう。
水彩絵の具や道具の取り扱い
水彩絵の具は乾いてもまた水に溶けるため、パレットに出しっぱなしでも大丈夫です。乾燥しても、また水で溶いて使うことができます。

絵の具を持ち歩かなくても、パレットだけでいいので、外に持ち出す時は便利です!スケッチに最適ですね^^
水彩絵の具で描いた絵
葉っぱのツルツル感を出したかったので、白を残しながら線で描いています。
色はあまり混ぜたり重ねたりせずに、水彩の淡い色やそのままの色を生かしました。
植物の色を綺麗に見せるために、背景はあまり塗りませんでした。
アクリル絵の具の表現と注意点

アクリル絵の具でできる表現
アクリル絵の具は、幅広い表現ができる絵の具です。
- 水彩画のような表現
水を多く含むと、水彩画のようなタッチが可能です。アクリル絵の具は乾きやすいという特徴があるので、乾燥を遅らせるメディウムを使うと良いでしょう。
- 油絵のような表現
塗り重ねたり、筆のタッチをつけてニュアンスを出すことが可能で、重厚感のある油絵のような表現が可能です。
- メディウムで多彩な表現が可能
絵の具を盛り上げたり、砂地のような質感を描けるメディウムも多種類あるため、多彩な表現ができます。
描く時の注意点は?
- 乾燥の速さを念頭に入れながら描く
乾燥が早いため、グラデーションやにじみの表現をする場合は、乾くのが早いためコントロールが難しく感じます。
「リターダー」というメディウムを使うと、乾燥を遅らせることができます。
- 乾くと水に溶けない
アクリル絵の具は乾くと、水に溶けません。絵の具が乾燥した後の修正は困難です。また、アクリル絵の具は透明度があるため、重ね塗りをしても下の色が透ける場合があります。
- 乾いた後の発色
アクリル絵の具は乾燥すると艶が出ます。透明性のある絵の具ですので、薄い色は沈みがちですので、何度か色を重ねる事で発色を補助する場合もあります。
アクリル絵の具や道具の取り扱い
アクリル絵の具は、乾くと強固に固まってしまうため、絵の具の扱いには注意が入ります。パレットや筆のお手入れはこまめに必要です。
また服や机に落ちると落ちづらいですので、絵を描く環境にも配慮をしましょう。
こちらの記事に、アクリル絵の具の取り扱いについて、詳しく記載していますので参考にしてくださいね!
https://cocoro-art.com/acrylic-pallets
アクリル絵の具で描いた絵

乾きが早く、色が混ざらずに重ねられるので、色の境や輪郭がはっきりとしています。
また、下地を凸凹とさせたり、盛り上げたりと厚みを持たせて重厚感を表現しました。
これにより、レトロ感を出しています。
選び方
表現したいものに合わせる
- 水彩絵の具
水の透明感と軽やかさ、水で薄める楽しさなどが魅力的です。
風景画やボタニカル、ポートレートなどを描くのに向いています。
- アクリル絵の具
発色が良く、艶感があり、重ね塗りの自由度が魅力的です。メディウムを使うことで、更に多彩な表現が可能で、幅広く使えます。
抽象画やアート作品に向いています。
使用用途に合わせる
屋外に飾ることがあるのなら、耐候性、耐水性の高いアクリル絵の具の方がおすすめです。
まとめ
水彩絵の具とアクリル絵の具の違いについて、お伝えしました。
初心者であれば、道具の扱いに馴染みのある水彩絵の具が良いと思います。
ぜひ、どちらとも使ってみて違いを楽しんでみてください。

水彩絵の具の偶然性の高い、にじみの表現も好きだけど、アクリル絵の具のはっきりした色も好き。
それぞれの好きなところを発見してみてくださいね!
私は、数年前に絵を描きたいなあと思った時に手に取ったのは、水彩絵の具でした。
小学生の時以来に手に取った水彩絵の具。久しぶりに使うと、これが中々難しいと感じたのです。